製品開発のムダとは何か?

製品開発のムダとは何か?

開発プロジェクトにおける大きな制約条件のひとつが、「時間」です。

リーン製品開発では、「付加価値のない仕事」に割り当てる時間を削減して、「付加価値のある仕事」に割り当てます。

その結果、製品開発のスピードが早くなり、望ましい成果が得られるのです。

製品開発のムダの例

製品開発には、どのようなムダがあるのでしょうか?

1. 割込みが絶えない: 仕事は、あなたのマネージャから指示されるだけではありません。そのマネージャの上司からも、カスタマーサポートからも、量産工場からも、サプライヤーからも、休み時間に会ったコーヒー友だちからも仕事は舞い込んできます。「緊急!」とか、「あの人に頼まれたら断れない」といった理由で、新たな仕事の「割込み」です。それまで集中して取り組んでいた仕事が、途中で「仕掛かり」状態になってしまいます。その中途半端な仕事は、たぶん、最初からやり直さなくてはなりません。

2. リソースが不足している: 開発リソース(人員)不足は、慢性的ですよね。特に、優秀で、特殊なスキルを持っている人の席には、待ち行列ができています。ボトルネックとなっていることは分かっていても、「余人に代えがたい」とあきらめていませんか?その時には、なんとかやりくりできたとしても、また、すぐに同じことを繰り返します。

3. 優先順位が不明である: トラブルがひとつ発生すると、同時に複数のプロジェクトで、同じようなトラブル処理が必要になりますよね。複数のプロジェクトマネージャが、「俺のプロジェクトが最優先!」と、我も我もと日夜フォローのためにあなたの席にやってきます。あなたのマネージャに「どのプロジェクトから手がけましょうか?」と質問しても、「どれも最優先!」と冷たい返事がかえってきます。その結果、複数のプロジェクトの仕事を「並行」して手を付けることになります。

4. リスクが軽減できていない: プロジェクトが始まるころは、やる気満々ですよね。将来に訪れるはずの成功を思い描いていますよね。「リスク」など考えたくもありません。プロジェクトが崩壊するようなリスクは、決して口にしたくもありません。「言霊」になって、実際に問題(イッシュー)となるからです。ましてや、問題となる前に、その対策を考えたり、処置しておくような時間はありません。コストや時間が、さらに必要となろうが、問題となってから火消しにまわったほうが、マネージャから「認知」されるからです。

5. 知識や経験は自分だけのもの: これまで学んだことや、知識は自分だけのものですよね。ましては他の人のために文書として残しておくようなことはしませんよね。「先輩の背中を見て学べ」と教えられましたからね。でも、後輩が自分と同じような失敗をすると、「どうして俺に相談してくれなかった」のかと思いませんでしたか?

6. 製品の要件がちゃんと定義できていない: お客様がどういったものを欲しがっているのかを定義すること、それは、ビジネスの上では大切ですよね。「お客様中心」ですから。開発者が作りたいという趣味のものや、「出来るのはこれだけ!」という仕様では、他社と差別化できませんので、売れません。

7. 製品の要件が、劇的に変更される: プロジェクトが一旦スタートすると、途中でかなり要件が変更されても、それを止めるには、かなりの勇気が必要ですよね。しかし、売れないとわかっているものを開発し続けることは、大きなムダです。

8. 生産性を開発初期に考えていない: 要求機能を満足するものを開発するだけで、精一杯ですよね。ましてや、量産できることまで頭がまわりませんよね。「ピカピカ」のプロト機が数台出来上がっても、量産できなければビジネス上のメリットはありません。

9. 設計マージンの取りすぎ: 開発のトラブルを避けるあまり、自分が担当している設計マージンを過剰に確保していませんか?サプライヤーや他部署に過剰なスペックを押し付けていませんか?部分最適化をすると、余分なコスト負担となるものです。

10. 大量のメールやミーティング: 会議で、スケジュールがほとんど埋まっていませんか?プロジェクトの報告会議、機能組織の報告会議、幹部の講話、サプライヤーやお客様との会議、海外とのWeb会議などなどです。でも、それらの会議で、何が決定されましたか?「報告会議」って何のためにしているのでしょうか?また、メールが来たら返信しないといけませんね。でも、長いチェーンメールで、結論がないものが多いですよね?会議中に、たまったメールに返信していませんか?

ムダを認めないこと

こうしたムダを認識して、それらを徐々に削減しましょう。
すると、会社の競争力がどんどん強化されていきます。

会社の利益は、売上から「付加価値のない仕事」と「付加価値のある仕事」を差し引いたものです。
付加価値のない仕事を削減しましょう。
そうすれば、会社の利益が向上し、競争力が強化されていくのです。

練習問題

会社の将来は、あなたのチームが開発する新製品にかかっています。
しかも、通常の半分の時間で開発を完了しなくてはなりません。
これを成し遂げるためには、何を変えなくてはなりませんか?何を改善しなくてはなりませんか?
主な改善点を3つ提案して、あなたのプロジェクトを成功に導いてください。

  • リソースがもっと必要?
  • 障害を減らす?
  • 変更要求を少なくする?
  • コミュニケーションを改善する?
  • ツールや設備などを増やす?もっといいものが必要?
  • もっと効率のいい開発プロセスが必要?
  • 優先順位付けを、もっとうまく付ける?
  • 他にあるかも?????

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