マネージャと担当者の会話
マネージャ、「先週頼んだ例の案件、見積りできた?」
担当、「え、まだです。部長から『最優先』だといつもの割込みがあって、まだ手がついていません。」
マネージャ、「おっと、部長の件ね、さ~っと片付けてくれる? こっちは待ったなし! 明日、午前中までに見積りちょうだいね。 午後3時にお客さんとアポとってあるから。」
担当、「はい、、、(いつも、明日までなんだから、、、)」
マネージャのあなた、
「締め切りギリギリ、なんとかセーフ」に生きがいを感じていませんか?
「出来る人」のところに、仕事が山積みになっていませんか?
「この仕事ができるのは、あいつだけ」と思い込んでいませんか?
担当のあなた、
仕事って、突然「渋滞」が始まりますよね。
もしかして、いつも「渋滞」ですか?
仕事の優先順位って、突然変わりますよね。
どの仕事も『最優先』なのでしょうか?
どうして、仕事に優先順位が必要なの?
問題:
あなたに、3つのプロジェクトから同時に緊急の仕事A、B、Cの依頼がありました。
それぞれの仕事を完了させるには、6時間必要です。
仕事を切り替えると、段取り替えに1時間必要です。
あなたは、この3つの緊急の仕事を、そのように処理しますか?
優先順位がない場合
あなたのマネージャは、3つの仕事A、B、Cは、全て最優先だと言っています。
あなたは、全てのプロジェクトの仕事を平行してこなさなくてはなりません。
6時間要する仕事Aを、3つのタスクA1、A2、A3に分割します。
それぞれのタスクは、2時間要します。
仕事Bも、タスクB1、B2、B3に、Cの仕事も同様に、タスクC1、C2、C3に分割しました。
それぞれのタスクは、同様に、2時間要します。
あなたは、A1のタスクを2時間で終えます。
1時間かけて段取り替えして、B1のタスクに移ります。
B1のタスクを2時間で終えます。
段取り替えに1時間かけて、C1のタスクに移ります。
C1のタスクを2時間で終えます。
段取り替えに1時間かけて、A2のタスクに移ります。
同じように、段取り替えとタスクを交互にこなします。
マネージャが、「どう?やってる?」とフォローに来ても、あなたは、「はい、全て着手しています。予定通りです。」と、答えることが出来ます。
開始から20時間後に、A3のタスクが終わり、Aの仕事が完了します。ここで、初めて価値が生まれます。
開始から23時間後に、B3のタスクが終わり、Bの仕事が完了します。ここで、次の価値が生まれます。
開始から26時間後に、C3のタスクが終わり、Cの仕事が完了します。ここで、全ての価値が生み出されます。
優先順位がある場合
まず、マネージャと仕事の優先順位について合意します。仕事Aが最優先で、B、Cの順です。
あなたは、Aの仕事を6時間かけて完了します。ここで最初の価値が生み出されます。
1時間かけて段取り替えして、Bの仕事に移ります。
Bの仕事を6時間かけて完了します。開始から13時間経過しました。ここでも、価値が生み出されます。
段取り替えに1時間かけて、Cの仕事に移ります。
Cの仕事を6時間かけて完了します。20時間後には、全ての価値が生み出されます。
優先順位に従えば、仕事の効率は断然良くなる!
先の例をまとめると、以下のようになります。
優先順位がある場合のほうが、断然仕事の効率はいいですよね。
仕事A | 仕事B | 仕事C | |
優先順位がない場合 | 20時間後完了 | 23時間後完了 | 26時間後完了 |
優先順位がある場合 | 6時間後完了 | 13時間後完了 | 20時間後完了 |
さらには、仕事A、B、Cが同じような内容だったとすると、学習効果が出て効率が上がることを期待できます。
最初の仕事Aで学んだノウハウが、次の仕事Bに活かされるのです。
仕事Bには、6時間もかける必要なく、もっと短い時間で完了できるかもしれません。
仕事Cでは、仕事Bよりもっと短い時間で完了できるかもしれません。